デジタルヒューマン技術による製品の人間中心設計と評価

使用する人間に起こりうる変化を仮想化し、人間側に起こりうる変化を予測、評価する「デジタルヒューマン技術」を活かして、安全安心な製品開発・設計へと役立てよう!

デジタルヒューマン技術による製品の人間中心設計と評価

共催:R&D支援センター

日時:2011年9月29日(木) 10:30〜17:30

[講師の言葉]

ユーザが製品を使ったときに感じうる「価値」に訴えるような製品や、安全に配慮された製品を設計する基盤技術、さらには、その優位性を訴求する基盤技術の1つが「デジタルヒューマン技術」です。人間機能を仮想化して計算機上に再現し、それと製品の間に起こる相互作用を模擬して、人間側に起こりうる変化を予測、評価しようというものです。これにより、多様なユーザ層に適合する製品を効率よく開発できるようになります。 
 本講義では、そのデジタルヒューマン技術の最先端を、応用事例を交えてご紹介します。また、デジタルヒューマン技術を取り巻く動向として、人間中心設計に基づく製品を認証するための人間中心デザインガイドラインの策定動向を紹介します。さらに、製品とサービスを連携させ、顧客へのサービスを通じて顧客の人間特性データを獲得し、それを大量に蓄積してデジタルヒューマン技術を通じて統計処理した上で、量産設計に再活用するサイクルについても、先端的な事例を交えてご紹介します。

[プログラム]

Ⅰ. 人間工学とデジタルヒューマン技術(概論)
Ⅱ. デジタルヒューマン技術による人間中心設計と評価
  1.全身のデジタルヒューマン「Dhaiba」
    a.体形シミュレーションとアパレル応用、健康応用
    b.運動シミュレーションと自動車設計応用
  2.手のデジタルモデル「Dhaiba Hand」
    a.形状モデルと製品設計応用(手袋、マウス)
    b.運動シミュレーションと製品設計(ステアリングなど)
Ⅲ. デジタルヒューマン技術による日用品の安全設計
  1.子どもの傷害予防工学概論
    a.病院での事故サーベイランス
  2.事故に学ぶ安全設計
    a.どんな事故があるのか
    b.事故原因を探るデジタルヒューマン技術
  3.安全に関する規格、ガイドライン
    a.ライターのチャイルドレジスタンス規制に学ぶ
Ⅳ. 人間中心デザインガイドラインの動向
  1.人間中心デザインガイドラインの狙い
  2.国内のフォーラム標準動向
  3.ISO TC159での審議状況
  4.データに基づくカスタマコミュニケーション
Ⅴ. サービスと連携した人間特性データの蓄積と再活用
  1.サービスを通じた人間特性データの蓄積
  2.量産設計へのデータ再活用技術
  3.性能価値、交換価値から使用価値設計の時代へ