含浸法におけるぬれ性の制御と応用技術
各種部品や機器の製造過程あるいは使用過程に伴う含浸現象のシミュレーションが確立され、LSI、油浸フィルムコンデンサー、電力装置、燃料電池などへの応用が可能に!
主催:R&D支援センター
日時:平成22年10月21日(木) 10:30〜16:30
≪講座趣旨≫
毛細管流動あるいは多孔体への毛細管浸透の測定技術や解析技術の進歩により、含浸過程を表わす理論式の展開がなされてきた。その結果、各種部品や機器の製造過程あるいは使用過程に伴う含浸現象のシミュレーションが可能になり、製造業の広い分野で新製品開発が可能になった。
今日の最先端技術の一つはナノテクノロジーである。ナノのオーダーである19−9mの微細加工技術にとって、表面または界面に存在する個々の分子の影響が大きくなってくる。そこで、力学や熱力学で得られるマクロの表面データである界面張力、接触角や含浸速度などのぬれ性が、ミクロオーダーの吸着層(静止流体層)の付着エネルギーに依存していることを明らかにする。さらに、吸着層はナノのオーダーの吸着分子と界面官能基との電子親和力によって成り立っていることを定量的に示す。
≪プログラム≫
1.界面張力とぬれ
1-1 熱力学的界面張力
1-2 分子運動論的界面張力
1-3 接触角
1-4 ぬれ性
1-5 接触角の評価
1-6 分子運動と接触角
2.毛細管浸透
2-1 浸透速度式
2-2 Kurematsuの式
2-3 不織布への浸透上昇
2-4 真空浸透上昇
3.毛細管圧力
3-1 求心含浸
3-2 繊維配向モデルと毛細管圧力
4.含浸と基材締め付け力と温度および真空度
4-1 締め付け荷重変化
4-2 温度変化
4-3 真空含浸
5.含浸過程の気泡の生成と消滅
5-1 気体のリーク量1)
5-2 未含浸領域の気体溶解度
5-3 気体の溶解拡散
5-4 気泡の生成
5-5 ボイドの消滅
6.網目状毛細管への流体置換含浸
6-1 毛細管網目モデル
6-2 置換方法
6-3 置き換わりのメカニズム
6-4 クラスター成長
7.基材の表面処理と完全含浸
7-1 吸着分子構造と占有面積
7-2 表面処理条件と含浸速度
7-3 吸着分子数とぬれ性
8.分子運動論的と含浸過程の解析
8-1 分子運動と含浸速度
8-2 分子運動と電子親和力
9.分散系の毛細管流動
9-1 分散系の静止流体層
9-2 分散系の毛細管流動
10.含浸過程の応用技術
10-1 電子部品(LSI)
10-2 電気部品(油浸フィルムコンデンサー)
10-3 電力装置(変成器)
10-4 燃料電池
【質疑応答・名刺交換・個別相談】
キーワード:界面科学,濡れ性,親水,撥水,講習会